2014年4月15日火曜日

小保方さんと立証責任


立証責任(証明責任)という法律用語(裁判用語)があります。















これは、「ある事実について真偽不明の場合に、その事実を要件とする法律効果の発生が認められないことになる一方当事者の不利益」と定義されています。
わかりにくいですね…

例えばAさんがBさんにお金を貸したから返せという請求をした場合には、ざっくりいうと、
①AからBにお金が交付された
②AとBとの間に返還の合意があった
ということの両方をAさんが立証しなければいけません。

仮に①お金の交付が立証できたとしても、②返還合意が立証できなければ、Aさんのお金返してくれという請求は認められません。

裁判上、請求が認められるかどうかという重要な概念ですから、弁護士は常にこの立証責任という概念を意識しています。


さて、STAP細胞はあるのでしょうか?

ないという証明は極めて難しいので(いわゆる悪魔の証明)、あると主張している人が立証責任を負うと考えられます。

小保方さんは200回以上作成に成功しているということですから、あることの立証は容易いはずです。他の研究者による再現実験では成功していないようなので、小保方さんが他の研究者と共同で実験して「コツ」を伝えて、再現すればよいだけです。本人が成功していると言うだけでは立証としては不十分なのは当然です。

現時点では、小保方さんによる立証ができていない以上、立証責任の観点からすると、「STAP細胞はない」、より丁寧に言うと「小保方さんのやり方によるSTAP細胞の作成は認められない」と私は判断します。

いくら声高にSTAP細胞はありますと主張しても、じゃあ、立証してよというのが正直なところです。