黒川検事長が緊急事態宣言中に賭け麻雀をしたとして辞職をしました。
内閣の閣議決定による定年延長という異例の対応がなされていた検察官の辞職とあって、様々な切り口で問題点が指摘されています。
私が一番気になったのは、検察官が賭け麻雀を行っていたことが公になったことです。
黒川検事長が新聞記者らと行っていた賭け麻雀のレートはいわゆる点ピン、1000点100円のレートであることが明らかにされました。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052200587&g=pol
お金を賭けて麻雀をしている人は、お金を賭けていることについて一種の罪悪感を抱いている人もいるのではないでしょうか。
刑法上、賭博罪は以下の通り規定されています。
刑法第185条 賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
「一時の娯楽に供する物」とは、その場で直ちに費消する茶菓や食事等がこれに当たるとされていますので、お金を賭けている以上、賭博罪に当たる(法律的に言うと構成要件に該当する)可能性が高そうです。(一時の娯楽の用に消費される程度の少額の金銭であれば賭博罪は成立しないという意見もあります。)
これまで賭け麻雀が摘発されてきたのは1000点200円以上が多いようです。
賭博罪という法律があるにもかかわらず、なぜそれ以下のレートであればお咎めなしになるのでしょうか?
この質問については、誰も答えられません。
なぜなら、罪に問うために裁判所に起訴する権限は検察官に独占されていて、賭け麻雀を賭博罪として起訴するかどうかも検察官の判断によるからです。
検察官としても1000点〇〇円以上は賭博罪に該当すると法律に書いてあるわけではないので、明確な基準を示すことはできません。
そのため賭け麻雀をする人は、これが罪に問われるかどうかわからないとして、罪悪感を抱き続けていたのです。
しかし今回、図らずも検察のトップ(になろうとしていた)である黒川検事長が1000点100円のレートで賭け麻雀をしていたことが明らかになり、それについて訴追されることはなさそうですので、一種の基準を検察官は示すことに成功しました。
今後は一般の皆さんも1000点100円のレートでは罪に問われないことになるでしょう。(あくまで私見ですのでご注意を。)
お金を賭けない健康麻雀という言葉もありますが、これからは1000点100円までは健康麻雀と言ってもよさそうです。
麻雀界に与える影響は非常に大きなものとなるでしょう。
ある種の罪悪感がなくなってしまうことに少し寂しさを覚える方もいるのではないでしょうか。